コラム

千里の道も一歩から

「千里の道も一歩から」。有名なことわざです。「どんなに大きなことがらも、身近なことがらから着実にこなしていけば成し遂げられる。」といった意味で使われることが多いようです。

さて、ここで気になってしまうのは、「千里っていったいどのくらいの距離なの?」ということです。一里が約3.9Kmだそうですから、千里というとその千倍、つまり、3900Kmということになります。日本の国土の長さが約3000Kmですから、まさに日本を縦断して有り余る距離です。

ですが、このことわざは実は中国の老子という人の言葉だそうで、中国の一里は日本のそれよりはずっと短く約500mだそうです。そうすると、このことわざの中の千里は約500Kmということになります。ちょっとほっとしますが、いずれにしても長い道のりということです。

ちなみにこの一里という単位、どのように作られたかというと、人間が1時間で移動するおおよその距離を示したものだそうです。「ここから二里ほどのところ」といえば、「歩いて2時間ほどのところ」という意味で、交通手段が徒歩が主流だった頃は、「8Km先だよ」と言われるよりずっと分かりやすかったと思います。

最後に、先のことわざのようにメジャーではないですが、ちょっとかっこいいことわざがあるので紹介します。

驥(き)は一日にして千里なるも、駑馬(どば)も十駕(じゅうが)すれば之に及ぶ

名馬は一日に千里を走るが、足の遅い馬でも十日をかければ名馬と同じ距離を走ることができる(諸説あり)という言葉で、要するに凡人も努力を続けることで優秀な人にも劣らない成果が出せる、夢をあきらめるなと言った意味が込められているようです。

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